オリジナルオブジェクト作成-その1-オブジェクトを作るためには?

シムをプレイし始めてしばらくすると、オブジェクトを作ってみたい、または、家具の色だけでも変えてみたいと思うユーザーは多いでしょう。

オブジェクトの作成はTransmogrifierというフリーのツール、ペイントツール-出来ればレイヤー(アニメのセル画のように何枚も画像を重ねられる機能)・減色(文字通り色数を減らす)機能があるもの-あとは根性と忍耐力(重要)があれば、できます。

ところで、シムのオブジェクトは、スキンと違って3Dではありません。2Dです。
各々のオブジェクトのiffファイルの中に、見る角度(右裏、左裏、右前、左前)と3段階のズームに応じた画像が格納されていて、視点や距離を変更すると、その画像が呼び出されるしくみになっています。
そして、オブジェクトのiffの中にある3種類の画像データによって、オブジェクトの画像表示の仕方が決められています。Transmogrifierは、iffをコピーし、そこからこの3種類の画像をエクスポート>画像を書き換え>インポートするという形で新しいオブジェクトを作成するツールです。

トラモグで書き換える3種類の画像の1つは、ゲーム画面で見ることができるカラーの画(p画像)です。
物によって全方位同じ見え方で画像で1つだけというものから、見る方向によって見かけが変化するオブジェクトでは最大で4方向から見た画像が別々に保存されています。アニメーションする場合はさらにそれぞれがアニメの段階別に分かれています。



p画像の例です。(自作団子カウンタディスプレイ)
これはカウンタトップ・キャンディディスプレイが元で、全方位同じ見え方で一画像のみです。





次に、αチャネルという、ものの透明度を決めている部分。白いほど不透明で、黒ければ透明になります。グレーだと、濃さに応じて半透明になります。3チャネルの画像のうち、黒地に白抜きの画像がそれです。





これが難物、Zバッファ画像。
3Dではないのに、家具が奥行きに応じてちゃんと他の家具の手前や陰に表示されるのは、Zバッファという奥行き情報が使われています。これが3つ目。




この白地にグレーの濃淡の画像はZ値(画面手前からの距離)という値を記録する部分です。
Z値は奥ほど白く、手前ほど黒く表示されます。こう書きますと、単純なようですが、他のオブジェクトとの兼ね合いもあるため、もっとも難しい部分です。

薄すぎれば他のものに侵食されてしまいますし、濃ければ壁や手前の家具を突き抜けてしまいます。完全な白で、オブジェクトは存在していないことになります。

スキンでしたら、SimViewなどのビューワーで確認が出来ますが、オブジェクトの距離間調節が上手く行っているかどうかは、実際にゲームに投入して見る以外確認のすべがありません。

よくわかんないから適当に塗っちゃえ!などとやりますとそれはもうとんでもないことになり、さりとてそれではなにかきっちり一回で完璧に決められる方法があるか?というとそれもないという、オブジェクト作成の最難関でもあります。

ところで、先に述べましたようにオブジェクトの画像枚数は、ものによって本当にさまざまです。
アニメーションするもの(風呂、ベッドなど)、使用タイル数が多いもの(テーブルランプは 1×1タイルですが、大きいお風呂は2×2タイル)ほど、画像をたくさん用意しなくてはいけないので書き換えなくてはいけない画像数は大変なものになります。

下図は一番画像数が少ないもののひとつ。お菓子のカウンタトップディスプレイです。形を変えて3チャネル自作、を選んでも作成するのはこの3枚で済みます。

一方こちらはシングルベッドのもの。ベッド自体3タイルもあり、アニメーションします。
これは色変えだけにしてみたものですが、すごい数のファイルが詰まっています。シングルベッドはアタマ側、真ん中、足側の3つに分かれています。
そして未使用、使用中、寝乱れとアニメパターンが3パターンあります。


1つを開いてみると・・・


P画像(画本体)だけで1個のフォルダにこれだけ入っています。形を変えるを選ぶと、おのおのにαチャンネルとZバッファが漏れなくついてきますから、フォルダの中にこの3倍の画像が出てき、それら全てをを描き直す必要があります。めまいがしてきますね。

さて、シムピープルにおけるオブジェクトの色変えやオリジナルオブジェクトをを作りたい場合、まずTransmogrifierを作者さんのサイト、http://www.thesimstransmogrifier.com/
からダウンロードさせていただく必要があります。

トラモグのダウンロード・サイトでは、同時にマジッククッキーという番号を発行してもらえます。この番号はオブジェクト複製時にオブジェクトのパーツに振り分けるIDが、作者さんごとに重複しないようにするための大切な番号です。

全てのオブジェクトのパーツ1箇所ずつが、それぞれ固有のオブジェクトIDというものを持っており、全て違う番号である必要があるのです。
ゲームのシステムでこのIDを参照して、2パーツ以上で出来ている家具のパーツが別のオブのパーツと混ざらないようにしたり、家やタウンに設置したオブジェクトを、たくさんある中からどこにどれが置いてあるかを識別したりしているのです。

なのでどこか1箇所でも重複していると、たいていは該当するオブジェクトを選択ないし設置したとき強制終了したり、別々のオブジェクトが合成される、設置はできるけれど保存しようとしたり、保存できてもそれ以降その家を選択すると強制終了するなど、環境によって様々な不具合がおきます。

ただし、マジッククッキーも万能ではなく、特定の番号ごとにIDの重複が起きることがわかっています。それでもほとんどの場合重複が避けられますから作成・配布を考えているなら取得しておきましょう。
また、ID重複を調べるためにSims Object IDというプログラムが作成され、2007年現在TSRさんやSimprogramさんで配布されています。チェックしましょう!

そしてマジッククッキーはHDDクラッシュやリカバリなどでデータがなくなったりするといけませんから、パソコン内だけでなく、紙に書く、プリントするなど別にバックアップを取っておきましょう。一度発行されたマジッククッキーは欠番になりますから余計に取得しないようにしてください。

マジッククッキーに限らず、大事なデータは2重3重にバックアップを取る習慣をつけておいたほうがいいでしょう。パソコン本体だけに保存していた場合、そのHDDが故障したりしたら目も当てられないことになりますよ。

本題に戻りましょう。ダウンロードしたTransmogrifierを解凍ソフトで解凍し、exeを実行します。この時、The Sims内部のSims.exeが見つからないから、指定して?と言ってきます。



そこで、OKを押した後、インストール時に出てくるコンピュータ内の階層選択画面(パスといいます)から、シムピープルがインストールされているローカルディスクを選択ましょう。
プログラムファイルを開き、Maxisフォルダの中を見てください。
C以外のドライブにシムをインストールしている場合も同じくその場所-Sims.exeのある場所-を指定すればよいですね。

Sims.exeがありましたね。ここでOKです。

しばらく待つと、読み込みが完了しオブジェクトの1覧が表示されます。上記の操作ははじめの1回だけ。次回からは、Transmogrifierを立ち上げればオブジェクトの一覧が自動的に読み込まれ表示されます。
Downloadsにどのくらいオブがあるか、PCのスペックなどで、読み出しにかかる時間は違います。
この1回目にTransmogrifierが立ち上がったとき、マジッククッキーの入力をたずねられます。もらったNo.を入力しましょう。これも最初に入力すればあとはプログラムのほうで記憶しておいてくれます。下が普通に立ち上がったときの画面です。


一覧は新旧に関係なく、自動的に数字の昇順、ついでアルファベット昇順に並べ替えられます。知っておいて損はないですよ。
この、オブジェクト一覧の画面ではオブジェクトの削除や画像の参照、価格や解説文の編集ができます。
ただしここのメニューの「Edit Object」で回復値や部屋値、カテゴリなどオブジェクトの性能を書き換えても、シムのゲーム中の購入カタログに書かれている説明部分の数表示値が変わるだけで、実際の性能は変えられません。
性能の数値事態を変更したい場合は、iff pensil2で変更
する必要があります。

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