さあ、いよいよオブジェクト作成の最大の難関、Zバッファ第一回です。
Zバッファとは、プロローグと前回でも述べましたとおり、オブジェクト同士やキャラクタとの奥行きの違いを表現するためのデータです。これがないと、どのオブジェクトが手前にあるのか奥にあるのかわからなくなってしまいます。
ほかにその「モノ」が「存在するかどうか」のデータも持っています。
おさらい−手前ほど黒っぽく、奥ほど白っぽい−
さて、Zバッファ作成方法として一番ポピュラーなのは
「既存のオブジェクトの、奥行きが近いものからZバッファを借りてくる」
と いうものです。たとえば、庭用の草花を作ったとします。そうしたら、作成予定のオブジェクトよりやや大きくて奥行きが同じくらいのオブジェクトから、3チャネルをエクスポートし、Zバッファ情報を取り出します。
オブジェクトの方向にあわせて、同じ部分から(前なら前同士、NEならNE同士)作成予定の草花の形に合わせてZバッファ画像をくりぬき、それを使用します。
オブジェクト作成については、国内外のサイトさんにいくつかチュートリアルがありますが、ほとんどのサイトさんではこの方法を紹介しておいでですね。
ただ、この方法なら1回でバッチリか、というと、そうは行かないのがZバッファなのです。
Zバッファの確認については実際にゲーム内に作成したオブジェクトを入れてみて、各方向から見て、確認する以外今のところスベがありません。
そしてこの方法でZバッファ画像を作成しても1回でばっちりというのは極めてまれです。
大なり小なり壁に隣接すると壁に侵食されたり、逆に壁から飛び出したりしてしまい、微調整が欠かせません。このへんはどこのサイトさんのチュートリアルにも必ずといっていいほど書かれており、微調整の仕方についても解説がされています。
つまり、はみ出してしまう場合は隣接する位置のもう少し薄い灰色から色をスポイトツールでとって塗りなおす。
侵食されてしまう場合は隣接する位置のもう少し濃い灰色から・・。といった具合です。
ただ、ほかにトラモグで床や壁に対しての位置座標が原因でめり込むことがありますから注意!この場合床の黄色い設置タイル枠からずれます。
では、前回作成した菓子箱をオートでαチャンネルとZバッファ作成モードで作成したもの(トラモグメニューの1番)と、自分でαチャンネル・Zバッファ作成したもの(メニュー3番)とを、比較のために手を加える前の画像を見てみましょう。
αチャネル、Zバッファを自分で作成の方は、αチャネルは箱がパステルカラーなので周りを灰色にするとかすんだ感じになることが予想されましたので、境界をぼかさず、オブジェクトの形全てを真っ白にしました。
Zバッファは、元になったデフォルトのキャンディディスプレイのくりぬきですからなんだかグレーの濃淡がもやもやしています。
具体的に私が取った方法は、αチャネルはカラー画像を範囲選択しておき、画像を256色グレースケールに変換して、まず周りを選択に切り替えて背景色で塗りつぶしてしまい、選択範囲をオブジェクトの方に切り替えてからオブジェクト本体を塗りつぶしという方法をとりました。
ZバッファはあらかじめコピーしたデフォルトZバッファに周囲の白い部分をコピーして張り付けました。
オブジェクトの形に穴が開いていますから、元のZバッファ画像がのぞいているわけです。
そして、こちらが、トラモグの自動生成画像。αチャンネルの周囲部分がグレーで塗られていて、Zバッファはきれいなグラデーションですね。(インポートした後、画像抽出のために3番の3チャネルエクスポートで取り出しました)
これを、いざ、ゲームへ。
ダウンタウンに並べて設置し、観察してみます。まずは、自動生成のほうです。置き方を変えて2個並べてあります。
手前部分が、白っぽ過ぎるのでしょう、カウンターに侵食されてしまっています。ショップの左右裏から見ると、見事に壁から突き出ていますね。この部分のグレーが壁より濃いのでしょう。箱の輪郭がぼんやりしているのは、αチャネルの透明効果のせいです。
こちらが自分で作成のほう。ちょっとピンボケぎみですが、ゲーム上で見ると箱の輪郭ははっきりしています。裏から見たとき、片方の裏壁には箱の飛び出しがありませんが、反対裏から見ると、やっぱり飛び出してしまっていますね。
そう、両方とも失敗作ですね。ここで考えてみました。いったい何がいけなかったのでしょう?
そういえば、このオブジェクトは全方位同じ画像-ALL-というオブジェクトですね。
ですが、今回作成したものは、方向によって見え方が変わってしまうようなものでした。これを、縦横比があまりないものにしてみたら、もしかして違ってくるかもしれません。そんなわけで、また1から作り直してみることにしました。
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